背景
・首都高速道路のトンネルは、霧状の水を放水して火災拡大を防ぐ「水噴霧設備」が設置されています。
・水噴霧設備は、複数の水噴霧ヘッド(霧状の水を放水する先端のノズル)から同時に大流量放水します。そのため走行空間に実放水して放水量を確認するため、設備点検には通行止めが必要でした。
水噴霧設備の放水様子
特徴
・そこで、放水を集水する複数のバケット(銀色の箱)が荷台に設けられた「水噴霧点検車」を使用して点検を行っています。
・このバケットが水噴霧ヘッドを包み込んだ状態で放水することで、走行空間には放水されずに点検が可能になりました。
・バケットの先には流量測定装置があり、これにより各ヘッドの流量を測定しています。
バケット(銀色の箱)とバケットを稼働させるブーム
バケットで水噴霧ヘッドを包み込んだ様子
流量測定計
・弊社の水噴霧点検車は、1ヘッドあたり670L/minまでの大流量放水に対応可能です。ここまでの放水量に対応できるのは本車両のみ。(2022.7月、当社調べ) ※一般的な水噴霧ヘッドの放水量は約290L/min
・バケットに前後左右高さ方向の位置調整機構を有するブームが付いており、多種多様な水噴霧ヘッドの設置位置にも対応可能です。
・水噴霧点検車を用いることで、片側車線規制のみで点検可能になり点検効率が大幅に向上しました。また、本線通行止め回数の削減によりお客さまサービスの向上も実現しています。
実際の点検時様子①
実際の点検時様子②
実際の点検時様子③
仕様
・車両サイズ : 全長8,770mm × 全幅2,480mm × 全高3,740mm
・車両重量 : 約10.9t
・計測可能流量: 670L/min(1ヘッドあたり)
・集水バケット3台、電磁流量計5台 を実装